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我が国に、仏教が公式に伝えられたのは538年(欽明天皇7年)、百済の聖明王が朝廷に仏教と経典を贈ったとされる。当時の有力豪族、蘇我氏は積極的に仏教を支持し、しだいに皇室や豪族の間に行き渡っていった。仏教伝来から半世紀を経た588年(崇峻天皇元年)には、物部氏を倒して勢力を確立した蘇我氏によって、我が国最初の本格的寺院、飛鳥寺の造営が始められる。
仏教伝来の直後は、豪族の邸宅などで仏像がまつられたが、やがて、天皇家や豪族によって本格的な寺院が造られるようになった。「日本書紀」によると、680年(天武天皇9年)には、京内(飛鳥・藤原地域)に24の寺があったというが、大半は、豪族の氏寺である。
天武朝(672〜686年)になると、国家的な仏教行事や僧尼の取締りを行う所として官寺が定められるようになった。四大寺とよばれた大官大寺・薬師寺・飛鳥寺・川原寺はその代表である。なお当時の寺院は、多く地名でよばれたが、中国風の法号をもっていた。
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