東壁全景
西壁全景
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壁画の状態
壁画は、長い年月や盗掘によって、傷つけられていた。例えば壁の漆喰に亀裂を生ずるほか、西壁上部などでは、これが原因となって漆喰が剥落している。また、天井と側壁の接合部分の一部から鉄分を含んだ水が滲みでたため、そこから下辺にかけて、赤褐色に汚れている。このため、東西両壁の男子群像と青龍の一部が、著しく不鮮明になっている。盗掘穴から流れ込んだ土砂によって埋もれた個所の漆喰は、汚れ、剥落している。また、顔料の剥落が著しい個所は、東壁女子群像の頭部と腹部、西壁男子群像の一部、青龍の尾の周辺、日輪の下辺などにみられる。このほか、玄武には、意識的に掻き落としたとみられる側壁材にまで達する打痕があり、日輪、月輪の中心部にも、金箔や銀箔を意識的に掻き取った形跡が認められる。
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