図40 敦煌428窟
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6世紀後半、北周になると、さらに変化に富むようになる。敦煌428号窟などは、顔が長楕円となり、眉、鼻、頬を結ぶX字形に造作する。そして躰、顔、手足を灰色にし、目、鼻、口を白色に塗る。裙と天衣に細かい彫線を用い、大衣は誇張されながら、端部は忍冬唐草文状にする。この窟は、また、天井に全裸の男性飛天の飛翔する姿が、大変めずらしい。269号窟では長衣を着、その裙は天衣と同様、大きく風にひるがえる。天衣は、腕に3回通す。竜門でも石窟眉の中で、飛天の姿が細かく、逆L字形をし、天衣が大きく翻えり、その輪の先が流れとんがる。膝を曲げ、裙の裾が曲る。また他の龕では頭に高冠を戴き、躰の後方にひるがえる天衣は円形をなす。足を上にしたり、下にしたり、多彩なポーズが見られる。
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