「三国史記」によれば、前奏より高句麗に仏教が伝わったのは、小獣林王2年(372AD.)である。高句麗の飛天は古墳の漆喰壁に描かれた壁画で見ることが出来る。仏教伝来の頃、現在中国吉林省にある輯安県で舞踏塚が築かれた。舞踏塚には供響、舞踏、狩猟を主題とした壁画が描かれていた。この古墳には天井にU字形に躰をし、首を曲げた飛天がある。ここでは仏陀の従者としてではなく、奇径な瑞祥の世界の住人として空を飛ぶ超人である。顔は面長で丈高の冠帽をかむる。上衣は衽元に黒い縁どりがある。裙をはいている。天衣は飛行方向の逆に向けて、大きく脹らんでいる。同じようなスタイルで翼をつけ、角笛を吹く羽人がある。中国の石窟の飛天とは少しおもむきを異にし、南朝の石棺や專に彫られた飛仙に似ている。
|