飛天
飛天の誕生
盛唐の飛天

敦煌39窟
図52 敦煌39窟


9世紀前後、いわゆる盛唐になると39窟は2室構成である。多くの塑像の背景として多彩で、かつ華麗にディスプレーされる。天井の周囲の壁は壮厳な画風で描かれる。西壁龕内南側や頂部に豊満な躰態と、どっしりとした重量感あふれる飛天が黄、茶、城、緑と色とりどりの雲に乗って、地上に降りてくる。顔は小さく、胸は腰で締りそして、長足を片膝を析り曲げる。髪は高髻にし、耳が大きく、長楕円の顔立ちをし、細い線で顔の目鼻立ちをし、すらりとした腰結びの躯をつくり、供物を手に持つ。頭、首まわりに瓔珞をつけ、腕釧をつける。下半身を包む裙は腰を巻く長紐、裏地の付く天衣は幾本も躰に巻き付けるゆっくりと舞い降りる姿は重量感がある。飛天の姿は23号窟に見えるように、菩薩像の変化によるものである。



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