飛天
日本の飛天資料

甲寅銘金銅製光背
甲寅銘金銅製光背


甲寅銘金銅製光背
東京国立博物館蔵
法隆寺献納宝物。蓮弁形の一光三尊型式の光背の外周に左右7体、計14体飛天が配される。甲寅年は594年と654年の2説がある。


檜隈寺跡出土品
檜隈寺跡出土品


檜隈寺跡出土品
奈良国立文化財研究所蔵
檜隈寺跡の第5次調査で出土。光背の外周に取り付けられたもの。甲寅銘光背より造作・表現が丁寧で両手に銅祓子を持つ。

灌頂幡A
灌頂幡A


灌頂幡B
灌頂幡B


灌頂幡
東京国立博物館蔵
法隆寺献納宝物には大幡Aと小幡Bの2種の幡があり、いずれも透彫りで飛天を表現する。大幡は透彫り金具6枚が連なり、全長5.5mに及ぶ長大なものである。小幡は8枚ずつ2旒になるものと推定される。飛天をはしめとする文様は大幡の方がやや古式で、小幡の飛天は、金堂小壁の飛天に通じる様式となる。

伝橘夫人念持仏後屏
伝橘夫人念持仏後屏


伝橘夫人念持仏後屏
法降寺蔵
阿弥陀三尊の後屏には、蓮華座に座す飛天5体が鋳出される。図は右から2番目、本尊と左脇待の間に見える飛天である。片漆を立てて座り、天衣は上方に大きく翻る。この念持仏は様式的に金堂壁画阿弥陀浄土図に近いものとされる。

天寿国繍帳断片A
天寿国繍帳断片A


o 天寿国繍帳断片
藤田美術館蔵A
推古30年(622)に死去した聖徳太子の追善のために、没後まもなく太子の妃橋大女郎によって作られたものと推定される。断片は各所に分蔵される。A,Bいずれも藤田美術館所蔵の古裂帳に貼られる。

天寿国繍帳断片B
天寿国繍帳断片B


綏女像
綏女像


綏女像
東京国立博物館蔵
法隆寺献納宝物四十八体仏の一つ。釈迦誕生の一瞬を表現した企銅製群像である。摩耶夫人像l体と、綏女3体で構成される。この綏女像には透彫の雲形が取り付けられ、飛天と考えることができる。

天人專
天人專


天人專
岡寺蔵
一片39.4cmを計る大形の方形專に1体の飛天が描かれる。両膝をつき、前に出した両手は天衣をつまんでいる。結髪しない、天衣が細い、飛行しないなど、他の同時代の飛天とやや異なる姿態となる。岡本宮腰瓦との伝承がある。

三尊專仏
三尊專仏


三尊專仏
明日香村教育委員会蔵
三尊仏の上方、天蓋左右にl体ずつの飛天が配される。同型の專仏は橋寺や壺坂寺にも伝わる。川原寺裏山から大量に出土するとともに、火中した痕跡をとどめる。川原寺の堂宇に使用され、羅災後に一括して裏山に埋納されたものと推定される。

玉虫厨子須弥座正面供養図
玉虫厨子須弥座正面供養図


玉虫厨子須弥座正面供養図
法隆寺蔵
玉虫厨子須弥座の4枚の腰板には、それぞれ異なった主題で独立した絵が描かれている。正面の供養図は、中央下方の獣脚付きの台上に円形の合子がおかれ、その両側に柄香炉を持つ供養僧が配される。上方の2体の飛天は、両側から花を載せた器を捧げる。

法隆寺金堂西天蓋落書
法隆寺金堂西天蓋落書


法隆寺金堂西天蓋落書
法隆寺蔵
金堂の阿弥陀像の上に懸けられている西天蓋の支輪板外面に描かれる。天蓋内面の蓮華文様と、金堂のそれとがよく似ているところから、金堂と天蓋の文様は同一工房の一群の画工の手になるものと推定されている。この飛天も小壁の飛天と姿態や天衣の翻りが良く似ている。

絵因果経
絵因果経


絵因果経
東京芸術大学蔵
釈迦の仏伝を記す過去現在因果経を下段に、上段にその経意を表す絵を加えた絵巻である。図示した飛天は、第8巻第2段の竹園精舎の中で坐す世尊の上方を飛ぶ飛天4体のうちの一体である。奈良峙代後期の製作と推定される。

夏見廃寺出土專仏
夏見廃寺出土專仏


夏見廃寺出土專仏
名張市教育委員会蔵
大形專仏に付属する項弥壇の羽目板部分の奏楽飛天。甲午年(694)の銘がある。

法華説相図
法華説相図


法華説相図
長谷寺蔵
下段の銘文三方を取り巻く文様帯の線彫り奏楽飛天。686年と698年の2説がある。

薬師寺東塔水煙
薬師寺東塔水煙


薬師寺東塔水煙
薬師寺蔵
4枚の水煙に各々3人の飛天を配する。上と中の飛天は手に供物を持って飛行する形で、下の飛天は片膝をついて横笛を構える。東塔の建立と同じく、奈良時代初期の製作と推定される。

墨絵菩薩像
墨絵菩薩像


墨絵菩薩像
正倉院蔵
麻布2枚を上下に継いだ方形の画面に、霊芝雲に乗る坐位の像を、墨一色で描く。表題のように菩薩とするのが一般的であるが、頭光を持たない点や、天衣が自由に翻る点、飛天を描いたとも考えられる。

東大寺入角燈籠
東大寺入角燈籠


東大寺入角燈籠
東大寺蔵
火袋下の中台の側面に飛天が表される。魚々子地に飛天・音声菩薩と宝相華・荷葉を線彫りした2種の図柄を交互に配す。天平勝宝4年(652)大仏開眼の頃の製作。

栄山寺八角堂
栄山寺八角堂


栄山寺八角堂
栄山寺蔵
内陣の天井を支える4本の飛貫の側面と下面に描かれる。藤原仲麻呂によって、天平宝字7年(763)頃に建立されたものと推定される。

如意輪観音像光背
如意輪観音像光背


如意輪観音像光背
岡寺蔵
光背は二重円光で、身光の外区左右に客2体の飛天が描かれる。左右いずれも舞下りる飛天と舞上がる飛天とを向い合わせに構図したもの。如意輪観音像と同時期の製作になるもので、奈良時代末から平安時代初頭の製作と推定される。
刺繍釈迦説法図
刺繍釈迦説法図


刺繍釈迦説法図
奈良国立博物館蔵
釈迦如来の周囲に諸菩薩や聴聞の十大弟子・俗形を配する。飛天は釈迦の左右上方に答6人がおり、いずれも楽器を持つ。盛唐の影響をとどめる、奈良時代中頃の作品と推定される。

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