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ガラス工房[9]


銀線でつづった花籠 玉の用途
こうして作られたガラス玉やその他のガラス小物はどんな風に使われたのだろう。古墳から出土する首飾り等の装身具が、まず上げられる。

そして正倉院に残されたような、ビーズを銀線でつづった花籠や、帯の縁取り、儀式用の幕の飾りなどとなって貴族の身辺を飾りもした。

仏像の宝冠や幢幡(のぼり)の垂げ飾りなど、寺院の荘厳にも、おびただしい量が必要だった。

正倉院文書を読むと『琉璃雑色玉十五万一千一百八十八枚、丸玉三千一百八十枚・・・大刺玉十四万五千九百廿枚』と幡などの飾りに多量のガラス玉を使ったことを示す記述がある。また正倉院に実際に残っている玉も万を超えるという。

飛鳥池のガラス工房の分析をとおしてみると、このガラス玉の量も決しておどろくほどのものではないこと、そして、このような贅沢を支える生産体制は、すでに飛鳥時代には出来上がっていたことが分かる。


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