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秋期特別展「祈りをこめた小塔」を開催
by admin
平成28年度秋期特別展 「祈りをこめた小塔」を開催します。

今回の特別展では、このたび当研究所が新たに収蔵した百万塔とあわせて、国内に伝来した銭弘俶八万四千塔や泥塔などの小塔を展示します。
とくに、銭弘俶八万四千塔は、国内に伝わった12点のうち、8点をご覧いただけます。

日時:平成28年10月7日(金)~12月4日(日)
   ※月曜休館
場所:飛鳥資料館 特別展示室
時間:午前9時〜午後4時半(入館は午後4時まで)
主催:奈良文化財研究所飛鳥資料館
後援:文化庁、近畿日本鉄道株式会社、
料金:一般270円(170円)/大学生130円(60円)
   高校生及び18歳未満、65歳以上は無料
(年齢のわかるものが必要です)
   ※( )は20名以上の団体

●主な展示品(予定)
・百万塔(奈良文化財研究所)
・百万塔未製品
・百万塔(法隆寺)
・銭弘俶八万四千塔(金胎寺) 重要文化財
・銭弘俶八万四千塔(黒川古文化研究所)
・銭弘俶八万四千塔(金剛寺)
・泥塔経(奈良国立博物館) ほか


 国を安らかに治め、亡き人を弔うため、為政者たちの祈りをこめた小塔の造立が、日本と中国でおこなわれました。
日本の小塔として知られるのが百万塔です。百万塔は、天平宝字8年(764)の藤原仲麻呂(恵美押勝)の乱を平定した称徳天皇が、乱の懺悔報謝のために百万基にのぼる木製の三重小塔の造立を発願したものです。宝亀元年(770)に完成し、十大寺に分置した記録が残ります。現在は法隆寺に伝存するほか、平城宮跡からは未成品も出土しています。
 中国では五代十国時代、銭弘俶八万四千塔とよばれる小塔がつくられました。銭弘俶八万四千塔は、呉越国最後の王である銭弘俶(在位948―978)が、戦いで亡くなった人々の供養のために955年頃から約10年をかけて造営したといわれ、日本にも12点が伝わっています。
これらの小塔は、内部に陀羅尼という経典を納めたことから、納経塔や法舎利塔と呼ばれています。無垢浄光大陀羅尼経には、小泥塔を造り、その中に書写した陀羅尼を納めれば、九万九千の小宝塔を造立したのと同じ功徳が得られるとあります。このため、一度に多くの法舎利塔を造立することが、為政者の仏教信仰としておこなわれたのだと考えられます。
 こうした小塔供養は、庶民信仰にもみることができます。奈良時代以降、泥塔とよばれる小塔が各地でつくられました。土でつくった小塔に、追善供養や、自らの滅罪、延命、長寿など、さまざまな祈りをこめたのです。
今回の特別展では、このたび当研究所が新たに収蔵した百万塔とあわせて、国内に伝来した銭弘俶八万四千塔や泥塔を展示いたします。
 時代と場所を越えて、小塔にこめられた古代人の祈りに思いをはせていただければ幸いです。

講演会

日時:平成28年11月26日(土) 開演:午後1時半から
会場:飛鳥資料館講堂
講師・演題:
服部敦子(帝塚山大学講師)「銭弘俶八万四千塔について」
森本晋(奈良文化財研究所企画調整部長)「データ分析からみた百万塔」
※事前申し込み不要


■ギャラリートーク
日時:平成28年10月28日(金)
午前10時半から/午後1時半から
会場:飛鳥資料館 特別展示室(地階)

■文化の日(11月3日)は無料開館日となります

飛鳥資料館 特別展示室
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