現在のところ明日香村上平田にある前方後円墳・梅山塚が舒明天皇陵とされているが、この比定には疑問を持つ人も多い。むしろ全長310mと言う奈良県下最大の墳丘をもつ見瀬丸山古墳こそが、舒明陵に当たると考えたほうがいいのではないだろうか。
丸山古墳の内部については江戸時代の絵図、明治時代イギリス人のW.ゴーランドの調査報告などで、巨大な横穴式石室に二つの石棺が入っていることは知られていた。その後、陵墓参考地とされたため考古学的調査の手は及ばないままだったが、1991年になって、偶然参考地外側の穴から墓室に入った人が撮影した内部の写真が公表される。この写真をもとに石室・石棺の考古学上の検討がおこなわれ、コンピュータ画像解析による内部の詳しい計測が進められた。
|