今年になって歌舞伎を見る機会が増えてきた。 義経千本桜では吉野の情景が広がる舞台を楽しんだ。 歌舞伎は西洋のオペラに匹敵する総合芸術である、と言われているが実際に劇場に出かけてみると、芝居小屋の果たす役割がとても大きいことに気付かされる。色褪せた座席に座って、休み時間に助六弁当を広げるときの心地よい気分も含めて歌舞伎なのである。来月には京都南座の顔見世に出かけて坂田藤十郎のしなやかな踊りを見ることが今から楽しみである。
顔見世や喜寿の女形(おやま)の若さかな きゅうさい
藤十郎は喜寿どころか80歳で18の娘の春を軽やかに舞うのですからね。 | |