このタイトルを見た時、ほとんどの方は「何やそれ?」と思われるでしょう。
「三侠五義」は中国・台湾辺りでは、「水滸伝」や「三国志」、最近日本でもメジャーになってきた「封神演義」並み‥‥或いはそれ以上に人気のある武侠小説です。
成立は清朝の道光年間(1821〜50)の講釈師石玉昆によってまとめられたと言われています。「竜図公案」とか「忠烈義侠伝」とか「七侠五義」とも云います。
それ以前の明末頃から包拯の公案モノは時に語られ、芝居となって人気があった様で、日本にも渡ってきて馬琴や京伝の読本の元ネタになっています。
一番解り易く言いますと、日本の「大岡政談」の元ネタです。‥‥それのどこが武侠小説やねん、と突っ込まれそうですが、前半は4分の1は、歴史上でも有名な名判官の包拯の公案小説で、後半4分の3が展昭ら義侠の士が活躍する武侠小説なのです。この武侠の部分が非常に面白いのです。
どの辺が好いのかと言うと、ずばり、登場人物です。
長所だけではなく短所もしっかりと描かれた、はっきりとした個性があるのです。タイプで言えば「水滸伝」の人物に近いのですが、もう少し洗練された感じと言うか、明確な書き分けが為されている気がします。
(注※別に「水滸伝」を貶している訳ではありません。私「水滸伝」もかなり好きですから‥‥念の為。)
この物語の登場人物を語る上で代表的なのが美青年白玉堂ですね。文武両道の義士ではあるが、傲慢で酷薄、勝気で短慮‥‥その結果が、ああなのですが、非常に魅力的なキャラクターです。他の人物も、本当、好いですよ〜!
一度読んでみて下さい!と言いたいのですが、翻訳されているもので絶版になっていないのが、高い!絶版になった安い方も、文庫並みとは行かないのです。
けれども、私はこの「三侠五義」が日本であまり知られていない事が、日本人にとって不幸だと思いますし、また、知って欲しいなぁと思います。で、「『三侠五義』メジャー化計画」の一端として、連環画を訳して紹介させてもらおうと思ったのです。
但し、私はNHKテレビ中国語講座でしか中国語を勉強してません。従って、誤訳も多くなると思いますし、速度の方も大トロだと思います。指摘、応援メール大歓迎ですので、よろしくお願い致します。
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