私の明日香ファイル
〜明日香の見どころ、歩きどころ〜



  File No. 064 都塚古墳 みやこづかこふん

 明日香村坂田

明日香村で、石棺の見られる唯一の古墳である。
しかも縄掛突起のある非常にわかりやすい、ポピュラーな形の石棺だから、古墳の基礎を見るにはもってこいの場である。
と、人様の墓をこんな形で紹介するのもばちあたりな気もしないでもないが、とりあえず手を合わせ、拝見させていただきます、ということで許してもらえるであろうか。
この古墳は、別名「金鶏塚古墳」とも呼ばれ、毎年元旦にこの塚で金鶏が鳴くという言い伝えがある。
ぜひ一度聞いてみたいものである。

 石舞台より徒歩10分

 


・推定直径30mほどの円墳、または一辺28m程度の方墳と考えられる。
・横穴式石室(長さ12.2m)、玄室は長さ5.3m、中央部幅2.8m、高さ3.55m。
・石棺は長さ2.36m、幅1.58m、高さ0.64mの花崗岩質片麻岩による刳抜式家形石棺。
・石棺の蓋に6個の縄掛突起を持ち、その形状から6世紀後半の築造と考えられる。
・石棺の前、入口寄りに5個の棺台と見られる石があり、周辺から鉄釘片や顔料が検出されたことから、もう一つ木棺が安置されていたと考えられる。