私の明日香ファイル
〜明日香の見どころ、歩きどころ〜



  File No. 043 坂田寺跡 さかたでらあと

 明日香村坂田

〜明日香の見どころ〜とは題しているものの、この辺りになるとやっている本人も自信が無くなってくる。「坂田寺跡」とはいっても、斜めになった石柱一本しかないのだから。
それでも、興味を持ってくれる人はいる。そう信じるしかない。
 坂田寺は、鞍作氏の氏寺として建立された尼寺とされる。尼寺なのは、日本で最初の出家者となった鞍作氏の女性、嶋(善信尼)に由来するのだろうか。
寺の建立としては、用明2年に天皇の病気平癒を祈願して、鞍作多須奈(鞍作止利の父)が出家し、丈六の仏像を造顕して寺を建てたとあり、飛鳥寺よりも古い創建記録を持つ。
その他にも、この寺は持統紀にも飛鳥五大寺の一つとして登場しており、仏教創世期において重要な役割を果した寺院であろうことは容易に想像できる。
が、しかし・・・。
今は、石柱一本だけなのである。

 石舞台より徒歩10分

 


・発掘調査で、西面する金堂と思われる建物跡、井戸、溝が出土している。
・鏡、玉類、金箔、銅銭などの鎮壇具と飛鳥・白鳳時代の古瓦が出土している。