私の明日香ファイル
〜明日香の見どころ、歩きどころ〜



  File No. 024 飛鳥寺 あすかでら
安居院(あんごいん)・法興寺(ほうこうじ)

 明日香村飛鳥682


飛鳥時代、ここには塔を取り囲む三つの金堂を中心にした壮麗な伽藍が立ち並び、明日香のランドマークとして威容を誇っていたはずである。
真新しいその伽藍を前にした蘇我馬子は、どれだけ満足した表情を浮べていたことだろう。
また、大化の改新のおりには、ここは一転して革命軍の拠点となった。蘇我入鹿の暗殺を断行した中大兄皇子と中臣鎌足は、ここから厳しい目で甘樫丘にある蘇我の館の様子を見つめていたはずである。
飛鳥大仏は、変わらずここに座りつづけておられる。
数度の罹災によりその姿は変わったとはいえ、この場所から1400年という時間をずっと見つづけてきたはずである。
その事実だけで、この飛鳥大仏は「国宝」だと思う。
補修が施されているから重要文化財に留めるなどということは問題外のことで、私にとっては第一級の国宝である。
もしかしたら、この像が重要文化財に留まっているおかげで、こうして間近に会うことができるのかもしれない。
そう考えれば、これはありがたいことなのだろうか?

 奈良交通バス飛鳥大仏前下車すぐ

 0744-54-2126


・拝観料250円
・9:00〜17:15(10〜3月は16:45まで)
・推古4(596)年に完成したとされる伽藍は、一塔三金堂で寺域東西200m、南北300m。
・本尊は鞍作止利作の丈六釈迦如来坐像で606年完成、像高275cm。