私の明日香ファイル
〜明日香の見どころ、歩きどころ〜



  File No. 023 小墾田宮跡推定地 おわりだのみやあと

 明日香村豊浦

見どころというには、ちょっとマニアックに過ぎるかもしれない。田んぼの真中の一本の木、それしかない。
橿原神宮前から和田町を通り、豊浦の少し手前の北側にその木はある。豊浦寺跡からでも200m足らずのところである。
「古宮土壇」と呼ばれるここの周辺が、小墾田宮の推定地となっている。
決定的な証拠はないが、7世紀初め頃の石敷き、柱跡などがこの一帯から出土している。
推古天皇が25年間過ごした宮である。書紀の記述からもうかがえるとおり、小墾田宮はそれなりの規模であった可能性が高く、隣接する雷(いかずち)からは「小治田宮」と書かれた墨書土器が発掘されている。
この地に立って、若き日の聖徳太子や、一筋縄ではいかない男、蘇我馬子を偲ぶには、ここはあまりにも静かであり、のどかである。

 奈良交通バス豊浦下車すぐ

 


・1970年に行なわれた発掘で、川原石を組んで作った溝、小池を持つ庭園、石敷き、掘立柱建物跡などが出土し、小墾田宮を構成する宮殿遺構の一部とみられている。
・これに先立ち、明治時代に、ここから金銅製の壷(四環壷)が出土している。