万葉の花「うつぎ」について | ||||||||||||||||||||||||||
「とっても身近な植物図鑑」の植物解説コーナーです。この植物図鑑らしく、普通の植物図鑑のように、「葉身は卵形、長楕円形あるいは倒卵形で、長さ...」というような説明はここでは取り上げません。花の名前を知ったら、誰でも植物図鑑でそのような説明は見ることが出来ますから。 では、何を?やはり、皆さんの身近な疑問になるべくお答えするような内容にしていこうと思っています。つまり、何故そういう名前なのか?とか、こっちと似てるけどどう区別するの?とかです。 その最初の題材として万葉の花に入っていて、今、「万葉の花」というサイトで話題になっている「うつぎ」を取り上げることにしました。 まず、「うつぎ」という語が付く樹は、何種類かあるのです。 @「ユキノシタ科」の「ウツギ」「バイカウツギ」「マルバウツギ」など。 A「ドクウツギ科」の「ドクウツギ」 B「スイカズラ科」の「ツクバネウツギ」「ハコネウツギ」「タニウツギ」など。 D「フジウツギ科」の「フジウツギ」「コフジウツギ」 この他にもあるかもしれません。見つけ次第追加します。 つまり、本来の「うつぎ」というのは、ユキノシタ科のもので、名前の由来は幹が中空であることから、「空木=ウツギ」という名前が付いたのだそうです。で、「うつぎ」を「ウノハナ」とも言いますが、これは「ウツギノハナ」の省略形という説と、卯月に咲くからという説があります。 他のウツギは、ユキノシタ科のウツギに木の形が似ているところから、○○ウツギという名が付いたのだそうです。ということは、幹は中空ではないんでしょうね! |
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さて、今手に入った画像はこれだけなのですが、果たして万葉人が見ていた「うつぎ」はどれなのでしょう?「分類形態学」等という学問の無かった時代ですから、ユキノシタ科だろうと、スイカズラ科だろうと、関係ないって事ですものね。 おまけ:ドクウツギについて 「いちろべごろし」という恐ろしい別名を持っています。が、別に特定の「市郎兵衛」ということではないらしいです。春に黄緑色の小さな花を付け、豌豆ぐらいの、最初は赤く次第に紫黒色になる甘い汁を含む実を付けるんだそうですが、この実が有毒で、誤って食べると死ぬとか。 で、どうして甘いって分かってるんでしょ? 食べた人が、死ぬ間際に言い残したとか?(@@ |
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