「あじさい」の花はどれ?
解説ページの第2弾は、前回同様万葉の花にある「あじさい」を取り上げてみました。
万葉の花」サイトの、管理人さんでもある「ももさん」のお絵かきデビューを記念して、ということで。

あじさい、紫陽花...見慣れた丸い玉状に花が付く紫陽花は、中国からの渡来花というのは間違いで、実はほとんどすべて、ガクアジサイから日本で改良(?)された園芸品種だそうです。
中国からの渡来種は、全く別のものだとか。
最近では、ヨーロッパ系の渡来種が増えてきています。鉢物にしている大きな花のものはほとんどがそうです。
「あじさい」の「あじ」は「あつ」が転化したもので集まるという意味。「さい」は「真藍(さあい)」の省略。
青い花が集まっている...というところからつけられたものだそうですが、最近は赤っぽいものが多いですね。土壌が酸性だと青く、アルカリ性だと赤くなると言われていますが、それほど単純ではないようです。
が、ネコの家の鉢植えは、青紫のが赤紫からピンクに近くなってしまってます。これは、土壌がアルカリ性になってしまっているのでしょうね。って、分かってるなら過リン酸石灰でもやればいいのに...(><;
でも...酸性雨が...と言われているのですから、紫陽花はどんどんブルーになっていかないと変なような気もします。やっぱりそれほど単純じゃないんでしょうね。

ところでみなさんは、「あじさいの花」というとどんなものを思い浮かべるでしょう?
ブルーや紫の、ヒラヒラとした花びら...雨に打たれて涼しげに咲く様子?
御存知の方もおられると思いますが、あのヒラヒラは「花びら=花弁」ではなくて「萼(がく)片」です。
ああ、だから「ガクアジサイ」ね...って、違うんです。「萼」じゃなくて、「額」紫陽花。
つまり、額縁状に装飾花があるから「ガクアジサイ」なんです。
装飾花の萼の数は、3〜5枚、同じ樹でも一定してません。では、花びらは??
これは、「ガクアジサイ」です。
紫色の大きいのは、「がく」です。
で、花びらはその中央にあるブルーのです。大きな萼を持っているのを「飾り花:装飾花」と呼びます。
左側に見えているブルーのが普通の花です。これの萼は花びらに隠れて見えないくらい小さいものです。
Photo by PENTAさん
これが普通の「アジサイ」です。
やはりピンクがかった紫の萼の内側に、小さな花が開いているのがお分かりでしょうか?
写真を大きくしてみて下さい。
ガクアジサイの花ををアップにして撮ったものです。
この飾り花の花びらは、まだ開いていません。
これは、萼が丸まっているタイプですが、同じようにブルーの花びらが中央に見えていますね。
丸みのある装飾花が渦を巻くように咲き進むことから、「ウズアジサイ」という名前が付いています。
このように、アジサイの園芸品種というのは、ほとんどが「萼片」の変化です。
アジサイには、いくつか種類があります。これは「ヤマアジサイ」の八重咲き園芸種です...多分。
タキイのカタログの「静岡県のヤマアジサイ」で、「白富士」という名前のがよく似ています。
「ヤマアジサイ」特徴は、飾り花の「花軸」が長いこと。
あ、八重と言っても、花びらは八重ではありません!ややこしい!!
カシワバアジサイは、アメリカ産のアジサイで、ここ数年園芸用に出回るようになりました。葉っぱの形が柏に似ていることから付いた名前で、花色は白のみです。
その他に、葉から甘茶を作る「コアマチャ」とか、樹形がウツギに似ている、「ガクウツギ」などがあるのですが、写真がありません。
誰か見つけて...。
次に、中国産のアジサイをご紹介しましょう。
ケイカという花だそうです。詳しくは、「河内太古の写真館」でご覧下さい。
これはユキノシタ科のアジサイとは違うようなのですが、スイカズラ科の「ヤブデマリ」や「カンボク」というのの仲間だろうと...図鑑に載ってなかったので、見た目の判断です。間違ってたらごめんなさい。
スイカズラ科のこの仲間は、装飾花のヒラヒラが萼ではなくホントに花びらだということが大きな違いです。
これは、英国旅行で写したものです。マナーハウス(領主館)の庭に咲いていました。ヨーロッパ系(特にフランスを中心とした)のものは、このように庭植にする大きなものが主流だったのですが、後に鉢植えにする小型のものが、ドイツで作られたのだそうです。
これを撮影したのは、何と8月の終わり頃なんです。花の咲く季節というのも、色々なんですね。
さて、アジサイの花後はどんな風になっているでしょう?
実は萼はそのまま残ります。
この写真は「カシワバアジサイ」の花後の姿です。萼はこのように緑色に変わり、最後は茶色になります。
選定しなければ、冬になってもドライフラワーのようになって残っています。
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