ブロンズ像 / モニュメント
 

 

 

原型の宅配? 原型用粘土について

  彫塑用粘土

 一般に人体像などを作る場合は、粘土で原型を作り石膏やシリコンなどで型をとって石膏や合成樹脂などで成形します。その際、原型制作に使う粘土は、ふつう陶芸用と同質のものです。この粘土はなめらかで扱いやすいので試行錯誤しながらの制作に最適ですが、原型は柔らかいので不安定です。

  特殊粘土

 飛鳥石造物の縮尺模型などの小さなものを作る場合は、造形用の特殊粘土を使います。私がよく使うのは、紙粘土を進化させたタイプのものです。彫塑用粘土と比べるとかなり高価ですが、乾燥しても変形やひび割れが少ないので、原型のまま保管することが出来ます。

  原型の宅配

 当初は、造るもののサイズや成型方法によって使用粘土を替えていましたが、いろいろ工夫するうちに、比較的大きな原型もこの特殊粘土で作れるようになりました。おかげで、サイズにもよりますが、制作途中の原型を車に乗せて、ご依頼主のところまで運んで、感想をいただくというような芸当も可能になりました。

 

銅像の制作について

  きっかけ

 福祉施設の入居者や職員で、故創始者の銅像寄贈したいのだが、造ってくれるところを知らないかという相談がありました。

 資料のお写真は何枚かありましたが、撮影された場所も時期も違い、同じ人物に見えないものもありました。この資料で作って、ご依頼主は納得されるのだろうか? これまでも「あの銅像はあまり似てないんだよ!」っていうお話はよく聞きました。

 銅像制作の経験がなかった私は、お話をお聞きしながらそのようなことを考えていたのですが、よくある話で、いつの間にか私が作ることになっていました。

  銅像制作の現状

 通常、彫塑原型は動かせませんから、確認していただくためにご依頼主に工房までご足労願わねばなりません。機会は限られますし、ごく一部の方だけで判断されることになります。完成後初めてご覧になった方々の反応が心配!

  対策

 そこで私は、特殊粘土で原型を作り、制作中のものをご依頼主の元にお運びして、出来るだけ多くの関係者の皆さんにご覧いただくことにいたしました。

  成果

 多くの方のご感想をお聞きするうち、やがて故人の人柄や生き様までお聞きすることが出来ました。さっそく原型を持ち帰って、それを基にイメージを膨らませて仕上げ、次にご披露した時に、ご遺族の方が、目頭を押さえられるのを拝見して、私は責務を果たせたという充実感に浸ることが出来ました。

  おかげさまで

 作り手にとって、この瞬間は得難いもので、以後私の仕事に加えさせていただき、ご依頼があればお引き受けするようになりました。
 あとの工程は、私が懇意にしている、銅器の本場である高岡の鋳物製作所で行いますので、品質は万全です。


(株)フタバ化学 志水徹男翁の像
展示台も含め、ひとつのモニュメントとして
提案させていただきます。

 

価格について

 ネットで調べていただけば一目瞭然ですが、相場にはかなり幅があります。

 左のような胸像で、等身(約60cm)というサイズで、検索してみると150〜220万円くらいまで幅があります。また、故人ではさらに2〜3割アップ、眼鏡の有無・和装洋装・資料の多少によっても差が生じ、出張費・送料・荷造り代などが加算される場合もあるようです。


私の場合

 私は、銅像作製が専業ではありませんが、鋳物製作所で直接製作したしますので、上記価格帯の、おおよそ中間くらいの予算で制作させていただいております。また、制作の参考にもなりますので、片道2時間程度の距離でしたら、ご指定の場所まで原型をお持ちいたします。

 いずれにしても、製作仕様はそれぞれ異なりますので、事前にお問い合わせください。ご事情に応じてお見積もりをさせていただき、ご注文いただくのは、その先になります。

 

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